自己肯定感とは
引用
自己肯定感とは、自らの在り方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する言葉であり、自尊心、自己存在感、自己効力感、自尊感情などと類似概念であり同じ様な意味で用いられる言葉である。
Wikipedia
難しい言葉で書かれていますが,要は人間が生きていくのに必要な自信みたいなもんですね。
日本人は自己肯定感が低い
内閣府の記事によれば
7カ国(日本,韓国,アメリカ,イギリス,ドイツ,フランス,スウェーデン)の中で
日本の自己肯定感は圧倒的な最下位になっています。
国名 | 自己肯定感を示す値 |
日本 | 45.8 |
韓国 | 71.5 |
アメリカ | 86.0 |
イギリス | 83.1 |
ドイツ | 80.9 |
フランス | 82.7 |
スウェーデン | 74.4 |
内閣府は「家族関係,学校生活,職場生活が充実し,満足している若者ほど,自己肯定感が高い」としていることから
家庭・学校・職場の環境を充実させる必要があるとしています。
おこめが数年間学校と関わってきた経験から,
家庭・学校・職場のうち,今回は学校について具体的に見ていこうと思います。
学校社会にある自己肯定感が下がる原因「2つのモノサシしか見えない社会」

学校では「勉強」と「部活」という二つの大きなモノサシで生徒が測られています。
✅ 勉強ができるのか,できないのか
✅ 部活ができるのか,できないのか
2つのモノサシがあれば必ず上から下まで満遍なくいろいろな子どもがそこに配置されることになります。
A 部活ができて勉強もできる子
B 部活はできるけど勉強はできない子
C 部活はできないけど勉強はできる子
D 部活も勉強もできない子
このように区分けされてしまうわけです。
生徒は必死にこれらのモノサシの中で少しでも上がろうと努力します。
もう頭の中は朝起きてから夜寝るまでこのことでいっぱいな生徒もいます。
しかも,2つのモノサシで測られ続ける期間は,早ければ小学生の頃から遅くて大学まで,最大で16年間です。
もう「世界は2つのモノサシで測られている」と強く思いこんで固まってしまうには十分な時間ですね。
こうなると二つのモノサシで比べることしかできなくなります。
部活で優秀な人や勉強で優秀な人が一人でもいれば「自分は劣っている…」と感じるようになります。
さらに,
子どもは他の友達と作る学校の世界こそ,その子のすべてであるように錯覚しています。
大人から見れば「こんな凄いところがお前にはあるんだぞ」と分かっていても
子どもからすれば学校社会で役に立たない長所など何の価値もありません。

自分は劣っている… なんの長所もない…
こう思ってしまうのも仕方ありません。
しかもこの「自分はダメ人間」期間が16年間も続きます。
地獄ですね。
全く違う「実際の社会」と「学校社会」

でも実際の社会ではどうでしょうか?
社会で活かせる能力は2大ものさし「部活」と「勉強」によって決まってしまうのでしょうか?
戦闘力が53万もあれば宇宙を支配できるような世界のように,単純に一つや二つのものさしで測れるような社会でしょうか?
違いますよね。
社会では様々な職業があって,人がいて,幸せのかたちがあります。
プロスポーツのように「部活」に似た軸の世界もあれば
研究者のように「勉強」に似た軸の世界もあります。
でも
・芸術家
・企業家
・ Youtuber
・お笑い芸人
などなど×100
社会に「面白さ」,「感動」などの「価値」を与える方法の数ほど「モノサシ」は存在します。
たった一つのモノサシで上に行ければそれで十分自己肯定感は高まります。
自分にあうモノサシを見つけることがとっても大事になります。
親の大きな役割
「部活」と「勉強」という2つのモノサシは不必要なものでは決してありません。
ただ,あまりに狭すぎます。
子どもは「自分は劣っている,自分には長所がない」と思い込んでしまうような環境にずっといます。
いつも少ないモノサシで測られているのでモノサシを探すことを知りません。
大人が子どもにできることは
・モノサシはいろいろな種類があることに気づかせてあげること
・自分が活躍できるモノサシを見つけてあげること
・モノサシを探す方法を教えてあげること
これらになります。
このような価値観を子どもに与えることができる存在は親以外にはいません。

教員の仕事じゃないのか!
こう思われる方もいらっしゃるでしょう。
教員は無理なんです。
「部活」と「勉強」これらを伸ばすための術をずっと学んで教員養成課程をすごしてきた教員は,この二つのモノサシを伸ばすことで精一杯なんです。
今でさえ月100時間残業がザラな「超長時間労働ドブラック企業」にいる教員はここまでできる時間も能力もありません。
日本の教育はそういう制度なんです。
さらに言えば,今の学校ではこんなモノサシをたくさん提供できるような環境を準備することは不可能です。
実際の社会のような多様性を学校に持ってくるのは不可能なんです。
みんな知ってる金子みすゞの有名な言葉
みんな違ってみんないい
これは「自分に合うモノサシを見つけて活躍してほしい」ということです。
金子みすゞさんがこの言葉で本当に伝えたかったことを理解できている人は
100年たったいまでもほとんどいません。
・モノサシはいろいろな種類があることに気づかせてあげること
・自分が活躍できるモノサシを見つけてあげること
・モノサシを探す方法を教えてあげること
すべての親の皆さんにはこれらのことを覚えていてほしいです。
もし子どもの自己肯定感(自信)が低いと悩んでいる親の方に少しでも役立つと嬉しいです。
また,他の親の皆さんにも教えてあげてくれると喜びます。
最後まで読んでいただきありがとうございました!!!
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